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  • 2013/06/27

『TKPレポート』

TKP(頭皮環境プロジェクト)を開始して3ヶ月。
今回の『カミノハナシ』では、この3ヶ月間のまとめを綴りたいと思います。
長文ですが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。

最初に“そもそもTKPとは?”というところからお話します。
美容師とし、ヘアーデザイン・扱いやすさやを重視したサロンワークに徹してきました。アシスタント時代の頃から『街ですれ違う方のヘアースタイルを見て、すぐさま3パターンのヘアースタイルをイメージできる様にトレーニングをしなさい』と教わってきたこともあり、未だに瞬時にヘアースタイルのデザインをイメージする習慣があります。
ところが、ヘアースタイルに対しての感じ方が変わるだけでなく、担当するゲストからのニーズやオーダーの変化も感じるようになり、髪の毛のハリやコシ・艶やまとまり・ボリュームコントロールなどが一層に求められているという実感と、それらの要望に対する施術の必要性が高まっている事に気づいた事が、TKPを始めたきっかけでした。カット・パーマ(ストレートパーマ)・カラーなどの施術だけでなく、髪に対する根本的な頭皮環境の改善を目指す取り組みに着手したいと。実は、オープン当初にマイクロスコープの導入は検討済みでした。ただ、頭皮環境における施術に至るまでにはより専門的な知識が必要となり、そういった取り組みまでは思いのほか時間を要しました。

実際にTKPを始め、マイクロスコープを使用したモニターチェックや頭皮環境の改善に対する施術を行った3ヶ月間なりの結果として。当初こそ、多くの方にシャンプーのすすぎ残しが見られ、毛根の根詰まりだけでない頭皮表面への“何らかの不要な成分と汚れ”が感じられました。頭皮の状態を目の当たりにされ、驚かれた方も少なくありませんでしたが、現在に至っては新しいシャンプーの法則にご賛同いただき、それを実践していただけた方やシャンプー時のすすぎや頭皮ケアを意識的に続けられた方達の診断結果が著しく良好に向かっています。
少し余談ですが、この場でお話をしておきたいことがあります。それは、昨今ご紹介してきた取り扱い製品に“科学成分不使用”であったり、“植物由来” “天然成分”を詠った製品が続いており、見方によってはTKPを始めた事をきっかけに、私自身の思考や店の方向性が転換した=科学成分は懸念すべき?と誤解を招き兼ねないと思います。確かに、オープン当初のコンセプトにあるように、“安心して使用いただける製品の取り扱い”に今後も努める事をお約束します。ただ、改めて科学的な成分と植物性の成分への私見をお話するのなら、ケミカル・ナチュラルには共に懸念点もあれば、それぞれに優れた効能や特有の効果があるのです。そもそも美容室内で行われる施術の多くは科学的な成分から成るものが軸となります。要は“目的に応じた製品の選び方”であって、効果と安全性と肌質との相性が伴えば“どちらも優れている”と言えます。以前にも綴りましたが、イメージや根拠のない情報には惑わされてはなりません。知りたい情報の全てが正しい情報とは限らないという事も改めて強調しておきます。

そして、自身の“頭皮ケア&丸刈り”から見えてきた事がありました。ここは特に重要なのですが、本来髪の伸びるスピードというのは1ヶ月に約1cmほどでしかありません。仮に10cmの髪の長さをキープしながら育毛・発毛に関する頭皮ケアを行ったとした場合、最低でも10cmの髪の毛のうち、髪の新生部が半分程の長さに達成しなければ、見た目の実感にもつながりにくいということです。丸刈りにする必要は全くありませんが、やはり効果を感じられるようになるまでには時間が掛かってしまうものなんですね。日頃からケアを行う事で、頭皮環境が変わる事もあれば、週単位・月単位といった頭皮ケアまで内容は様々です。頭皮ケアが習慣になるまでは意識的に続けなければならない事も少なくありませんから、途中で怠ってしまう事だってあるでしょう。が、なにかを続けたからこそ、報われた時の喜びは大きく感じられるのではないかと思えたりします。風刺みたいな末筆ですが、存在の薄くなってしまった“根気”とか“努力”という言葉を感じられた3ヶ月となりました。

TKP、まだまだ続きます!