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  • 2012/08/07

髪の“ヘアーサイクル”についてのハナシ

今回のカミノハナシでは、髪のヘアーサイクルと頭皮トラブルについてお話したいと思います。

“髪の毛は先端から伸びるものなのか、それとも根元から伸びるものなのか”
カラーリングが一般的になった昨今。もはやこんな疑問を抱く事はないのかもしれません。ただ、もしもカラーリングという技術が存在しなかったとしたら...。
果たして髪が根元から伸びるものと認識ができたでしょうか。

〈ヘアーサイクルとは〉
頭皮から生える髪は平均で約10万本、多い方で15万本ともいわれています。
一日におよそ100本近くの髪が抜けるとされ、髪の伸びる速度にはやや個人差もあるものの、一ヶ月に伸びる髪の長さは約1cm程です。

・成長期(約3~5年)
前回の『頭皮のハナシ』で少しだけ触れましたが、毛根の中心にある毛乳頭が活性化し、毛母細胞といわれる細胞の分裂によって太くコシのある髪に成長していきます。
・退行期(約2週間~3週間)
成長期を経て毛母細胞の分裂が弱まり、やがて成長が止まります。成長期には常に細胞分裂を繰り返していた毛母細胞が毛乳頭から離れていき、徐々に内部から外側に向かって移動を始めます。
・休止期(約2~3ヶ月)
成長が止まると2~3ヶ月の間で髪は抜け、その後は新たな髪が生える為の準備期間となります。

成長期→退行期→休止期を繰り返すのが健康な状態でのヘアーサイクルの作用です。

では次に、何らかの原因でヘアーサイクルが乱れて起きてしまう頭皮のトラブルについて。

【抜け毛】男性型脱毛症(AGA) 女性男性型脱毛症(FAGA)
抜け毛の要因や症状は様々ですが、原因としては主にヘアーサイクルの乱れがあげられます。
脱毛症として位置づけられる“男性型脱毛症”(AGA)は男性ホルモンの作用により、ヘアサイクルの乱れを引き起こすのではないかとされています。実は、名称から男性特有の症状にとらわれがちですが、女性にも該当します。この場合は“女性男性型脱毛症”(FAGA)と呼ばれ、男性が生え際や頭頂部に症状が見られるのに対し、女性は部分的にではなく全体的に髪が少なくなってしまうのが特徴ともいえます。現在のところ、脱毛因子が一部の男性ホルモンによる働きとされるのが一般的ですが、残念な事に、未だに解明されていない事があるのが現状です。多くの専門家による研究の結果、以前に比べると治療に対し有効とされる成分や治療方法がでてきてはいるものの、未だに遺伝や生活習慣により引き起こるといった見解が強いようです。

【フケ症】
フケとは、新陳代謝によって頭皮の角質細胞が剥がれ落ちたものを指します。
そのフケが睡眠・栄養不足等の内的要因や不十分な洗髪、シャンプー剤の刺激などの外的要因によって大量に発生してしまうことをフケ症といい、かゆみを伴うことが多く、そのまま放置してしまう事で脂漏性脱毛症の原因にもなりかねません。フケ症には脂性と乾性という2タイプの症状があります。皮脂は通常であれば頭皮を守る働きをしますが、ホルモンバランス・食生活の偏り・過度のストレス等によって過剰分泌となり、逆に皮脂汚れとして頭皮の炎症やニオイのもととなります。脂性の頭皮にみられがちな毛穴に詰まったしつこい皮脂汚れを除去する為には通常のシャンプーで落ちにくいため、専用のクレンジングオイルやシャンプーを使用することが多く、定期的なケアの必要性があります。逆に乾性の頭皮にはマイルドな洗浄力のシャンプーを使用し、過度な洗髪に気をつけ頭皮に潤いを与えることで改善へ導きます。

今回は抜け毛とフケ症についてでしたが、これらの症状以外にも頭皮のトラブルが存在します。次のカミノハナシでは女性特有の頭皮トラブルも含めてお話したいと思います。