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  • 2012/06/17

髪の構造についてのハナシ

CMや雑誌なんかでも取り上げられている事が多いのでご存知の方も多いと思いますが、今回の『カミノハナシ』では髪の構造や細部の役割についてお話したいと思います。

髪の毛は表面からキューティクル(毛表皮)コルテックス(毛皮質)メデュラ(毛髄質)の順で、三層から成り立っています。
例えると、ヒトの皮がキューティクル、肉の部分がコルテックスで骨がメデュラと考えることができると思います。

では、それぞれの働きをみてみましょう。

キューティクルは髪の毛全体の10~15%を占め、平均4~10枚が鱗のように重なって成り立っています。ドライヤーの熱や直射日光等による外部からの物理的ダメージや薬剤を含む科学的なダメージを緩和し、髪の内部組織の保護を行ないます。鱗状に重なるキューティクルとキューティクルの間に存在するのがCMC(細胞膜複合体)といわれる成分で水や薬剤の通り道といわれ、ヒトでいう血管のような働きをしています。
CMC自体は髪全体の90%近くを占めるコルテックスまで続いており、このコルテックス内に含まれるタンパク質や脂質の構造水分量で “髪の太さ・強度・柔軟性” が決まり、毛髪内のメラニンの量によって “髪の色" が決まります。
毛髪の損傷がすすむことで髪の主成分でもあるタンパク質の流出を招いてしまうため、いかにCMCの保持・補給がおこなえるかが髪のコンディションを決める重要なポイントとなります。
では、最後にヒトの骨にあたるメデュラですが、直射日光から頭部を守るために空気を通す役割をする無数の空洞があります。毛髄質の量によってパーマのかかり方やパーマの”もち”に違いがでたり、更にはメデュラの空洞化が進行することで髪の色が褪せて見えてしまうとも考えられています。ただ、現時点ではこの部分に関しての成分や機能に関して解明されていないことが多く、引き続き研究が進められているようです。

上記は、現時点での専門医による見解やメーカーが主体となる研究発表等の要点をまとめており、美容師として専門学校で習う事項でもあります。
“髪の毛” に対して詳しく知る事が、健やかな髪への近道なのではないかと思います。

それでは、
次回は頭皮についての構造や働きに触れてみましょう。