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  • 2013/08/31
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カミノハナシ “白髪について”

『白髪について』

今回のカミノハナシでは白髪について触れてみたいと思います。
とは言え、結果からお話をすると、白髪に関しては未だに解明されていない事が多いため、参考になる事が少ないかもしれません。
冒頭から少々“肩すかし”な展開ですが、白髪について纏めましたので最後までお付き合いいただければと思います。

まずは、白髪と本来の髪の毛の違いからお話します。
そもそも髪の毛を彩る色素はメラニンから成り立っています。
※一般的にはアジア圏での人種に多いとされるユーメラニンとヨーロッパ圏の人種にみられるフェオメラニンに分類されます。
日本人のもつ艶のある黒髪には多くのユーメラニンが含まれているからなのです。
そして、このメラニンが生成されるのが“メラノサイト(メラニン細胞)”と言われ、謂わばインク工場のような働きをしています。白髪になってしまう原因とは、メラノサイトが活動的でなくなり一時的に休止または停止してしまうからと考えられ、“休止”の場合はいずれはメラノサイトが活動し始め黒髪に戻る事も多いようです。
気になるメラノサイト活動再開については、有効とされる成分が確認されてはいるものの、残念ながら“有効”としかされていないのが現状で、現在も白髪への解明と共に大きな課題となっています。

ではここで、サロンワーク中によくある白髪に関する質問を例に挙げながら話を進めたいと思います。
【Q. 白髪を抜かない方が良いのはなぜか?】
一番手っ取り早く、気づいた時点で“さっ”と抜いてしまうのも一つの手かもしれません。ただ、新しく生えてきた白髪は周りの髪に馴染が悪くなり、白髪だけが表面へ飛び出してしまうので“また抜く”の繰り返しとなりかねません。髪は永遠に生え続けられるわけではありませんので、白髪を抜き続ける行為が薄毛を助長してしまうことにもつながります。
【Q. ホームヘアカラーとサロンへアカラーの違いとは?】
“過酸化水素水”と言われるカラーリングの2剤にあたる薬剤の設定が明らかに異なります。サロンカラーにせよホームカラーにせよ、全ての毛髪に対して染める事ができるという前提の中、特にホームカラーにおける薬剤には薬事法で定められる最も強力なパワーを発揮させる設定となっている事がほとんどです。当然、サロンでの施術も同様に強力なパワーを設定することもありますが、その場合“必要性を感じる時だけ”という適した判断が伴います。仕上がりと持続性、それに加えて、ムラにならない塗布の技術と安全性を考えると、両者の違いが薬剤設定だけではないと言えるはずです。
【Q. 白髪を染める際にマニキュアとヘアカラーのどちらが効果的なのか?】
希望の仕上がりによって選択が変わります。マニキュアの場合、髪への損傷が無く髪の表面をコートするように染色します。その為、明度を上げる事には不適であり、地毛の黒髪〜やや明るいブラウンの仕上がりになります。その反面、カラーリング剤は髪の内部を脱染し染色するので、マニキュアと比べ多彩な色と持ちの良さに長けています。全体の髪の明るさを希望される方や色持ちを重視する場合はカラーリング剤での染色をおすすめします。
【Q. 白髪の生え始めに頭皮がかゆく感じるのはなぜ?】
個人差があるものの、白髪の生えやすい顔周りが“ムズムズする”という声があります。白髪と本来の髪の毛の断面図を見ると一回り程白髪の方が大きい(太い)ケースが多く白髪の生え始めに毛穴を拡張するからではないかと言われています。
【Q. 全ての頭髪がが白髪になる為の条件とは?】
“ロマンスグレー”と称されることもある、全頭が白髪のヘアースタイル。憧れを抱きご質問をいただく事も多いのですが、条件は全てのメラノサイトが活動を停止し、それでもなお髪の毛が存在する頭皮環境であることが最もな条件かと思います。すなわち、白髪になってからも頭皮に対するケアが大切といえるはずです。

この他にも白髪に対する質問や解決策を問われる事が多く、解明されている範囲でお答えしています。現在、美容師の役割として白髪をなくす事は難しいとされていますが、白髪を活かすカラーテクニックや美容師だからこそできる“個々への似合わせ”が求められているのだと、自戒と共に感じています。