✂︎ Ep-138

カットの途中で何となく背中への視線を感じ、鏡越しに後方へ目をやると入り口に小さな姿が写っている。振り返ると担当しているゲストのお子さん。辺りに親御さんの姿はなく一人でポツンと立っていた。施術中のゲストへ断りを入れ「〜ちゃん、どうした?」と、その子の元へ。少しだけ神妙な面持ちで手の中に収まるハイチュウ。親御さん曰く「あの日はね、近くへ買い物に来てて。そしたら娘がおやつの差し入れするって言い出して。お仕事の邪魔にならないように渡せたら直ぐに戻ってくるよう伝えておいたのだけど。突然驚かせたね。」あの時の表情に合点がつく。自分が気付くまで声を掛けないで待っていてくれていた事を改めて知った。

小さな手から受け取った忘れられないエピソード。