✂︎ Ep-114

黙々とハサミを振るい、髪を挟む指の感覚が澄んでいく。ゲストは目を閉じ、会話はない。辺りが静まり返る。変わることのないその距離に心地良さを感じ、淡々と髪に触れる。ハサミのピッチが上がる。いつかは変わってしまうかもしれない時間。ただただ今はその時間に浸りたい。ハサミを置き、仕上がりと同時に互いの目線が交差する。