✂︎ Ep-107

変わりゆく時代のなか、80歳までカメラ屋の門構えを貫かれた店主の話。細やかな気配りはご家族だけでなく、幅広い客層からも賛美の声が届いていたのだとか。いつの日か、写真の現像を必要とされなくなると予測したご主人。デジタルカメラへの移行と、それに対する決断も潔かった。とは言え、アナログからデジタルへの変換を先駆けた話はない。デジタルカメラそのものがとても高価だった事と、それ以上に長年アナログカメラに囲まれた暮らしを思い返せば、断腸の思いだったかもしれない。ところが、70歳を過ぎたご主人の先見の目に狂いはなかった。新しい物好きな客層からデジタルカメラのレンタルが殺到。瞬く間に「たくさんの依頼がきたよ!間違ってなかったんだ」と、ご家族へ嬉しそうに報告されたのだとか。「時に迷い、時に大きな決断もやってくる事でしょう。でもね、好きなことをやり遂げようとする眼差しっていうのは、歳を重ねたうえでより輝くものですよ」ゲストの女性は彼方を見つめ、そんな話をなさってくださった。